＜Kaspersky Security Bulletin：数字で振り返る2022年のサイバー脅威＞新たに検知した悪意のあるファイルは、昨年比5%増の1日当たり40万件に

2022年12月7日

2022年1月から10月までの10カ月でカスペルスキー製品が検知した新規の悪意のあるファイルは1日当たり平均40万件に上り、前年同期間比で5%の増加が明らかになりました。また、2021年11月から2022年10月の12カ月間に検知したランサムウェアの1日当たりの検知数は前年同期と比べ2.8倍となりました。

[本リリースは、2022年12月1日にKasperskyが発表したプレスリリースに基づき作成したものです]

Kasperskyのセキュリティリサーチチームは、2022年にカスペルスキー製品が検知した主要なサイバー脅威の数字についてまとめた年次レポート「Kaspersky Security Bulletin 2022. Statistics」（英語）を発行^※1しました。2022年1月から10月までの10カ月でカスペルスキー製品が検知した新規の悪意のあるファイルは1日当たり平均40万件に上り、前年同期間比で5%の増加が明らかになりました。また、2021年11月から2022年10月の12カ月間に検知したランサムウェアの1日当たりの検知数は前年同期と比べ2.8倍となりました。

Kasperskyの検知システムは、2022年1月から10月までの10カ月の集計期間で、毎日平均して40万件の新たな悪意のあるファイルを発見しました。これは前年同期間の38万件から、2万件の増加となりました（5%増）。集計期間中に検知した悪意のあるファイルは合計で約1億2,200万件に達しました。これは、前年同期間の検知数から600万件増加しています。

KL-KSBStatistics2022-1

■主な脅威の統計結果（カスペルスキー製品での観測、集計期間は2021年11月～2022年10月^※1）
・ランサムウェアの1日当たりの検知数は9,500件でした。前年同期間（2020年11月～2021年10月）の3,380件から約2.8倍になりました。
・ダウンローダーの一日当たりの検知数は11,000件でした。前年同期間の4530件から約2.4倍になりました。ダウンローダーは、感染したデバイスにマルウェアまたは不要なアプリケーションの新しいバージョンをインストールする悪意のあるプログラムです。
・Windowsは継続して主な標的となっています。Windowsデバイスを攻撃する悪意のあるファイルを一日当たり平均で約32万件検知しました。これは、一日当たりに検知した全ての悪意のあるファイルの85%に当たります。そのほか、1日当たりに検知したMicrosoft Office形式の悪意のあるファイルの数は前年同期間の4,700件から15,800件と約3.4倍になりました。
・Androidを狙う悪意のあるファイルの一日当たりの検知数は10%増加の3,500件になりました。2022年に世界中の数千にも上るAndroidユーザーを攻撃した悪名の高いトロイの木馬「Harly」および「Triada」が、この傾向の主な例として挙げられます。

Kaspersky アンチマルウェアリサーチグループリーダーウラジミール・クスコフ（Vladimir Kuskov）は次のように述べています。「脅威の状況が境界を越えて拡大する速さや日常生活に登場する新しいデバイスの数を考慮すると、来年検知する新規の悪意のあるファイルは、1日当たり50万件になる可能性が非常に高いでしょう。さらに危険なのは、サービスとしてのマルウェア（Malware-as-a-Service）の登場に伴い、プログラミングの専門知識を持たない初心者の詐欺犯罪者がデバイスを攻撃できるようになったことです。サイバー犯罪者になるのがこれほど容易になったことはありません。サイバー犯罪の被害に遭わないために、大規模企業のみならず一般ユーザーも信頼性の高いセキュリティソリューションを導入し対処することが重要です。当社はこのような脅威からお客様を保護し、オンライン上の活動が安全であるように最善を尽くします」

・2022年の主要なサイバー脅威に関する年次統計レポート全文は、「Kaspersky Security Bulletin 2022. Statistics」でご覧いただけます。（英語、ダウンロードには登録が必要です）
・「Kaspersky Security Bulletin」シリーズは、サイバーセキュリティに関する主要な変化を毎年予測および分析し、まとめたものです。そのほかの予測は「Kaspersky Security Bulletin 2022」（英語）でご覧いただけます。

※1上記統計情報は全て、Kaspersky Security Network（以下KSN）で取得されたものです。KSNは、世界各地の数百万人の任意のカスペルスキー製品ユーザーから取得したサイバーセキュリティ関連のデータを高度に処理する、クラウドベースの複合インフラストラクチャです。KSNは取得したデータをクラウド上で自動分析することで、全てのユーザーとパートナーに対して、新しい未知のサイバー脅威に対する最短の応答時間と最高レベルのプロテクションを実現します。全ての情報は、ユーザーの同意を得て取得されています。