KasperskyのInnovation Hub部門が開発した「Kaspersky Antidrone」ソリューションは、企業や不動産所有者などが、民生用ドローンの不法侵入から自己防衛することを目的としています。レーザースキャンによる新たなドローン認識アプローチを含む複数のセンサーと、ニューラルネットワークを用いた機械学習を組み合わせたシステムにより、制限空域へのドローンの侵入を自動的に探知して識別し、ジャミングによってドローンを出発地点に着陸させます。
[本リリースは、2019年10月21日にKasperskyが発表したプレスリリースに基づき作成したものです]
KasperskyのInnovation Hub※部門は、企業や不動産所有者などが、民生用ドローンの不法侵入から自己防衛することを目的とした新たなソリューション「Kaspersky Antidrone」を開発しました。レーザースキャンによる新たなドローン認識アプローチを含む複数のセンサーと、ニューラルネットワークを用いた機械学習を組み合わせたシステムにより、制限空域へのドローンの侵入を自動的に探知して識別し、ジャミング(電波妨害)によってドローンを出発地点に着陸させます。
世界のドローン市場は、2018年時点で140億ドル相当と見積もられ、2024年までには430億ドルに達するものと予測されています。商品の配達、建築や採掘の候補地調査、趣味としての利用まで、ドローンを使用することで広がる潜在的機会や前向きな変化が、この成長に拍車をかけています。
一方、ドローンからしばしば連想される否定的なことが、この革新的技術の普及に影を落とす可能性もあります。英国で先日実施された調査では、ドローンを肯定的に捉えている回答者は31%にとどまりました。この認識には、ドローンが不適切または不正に使用されたことが大きく影響しています。偵察目的での利用の可能性、墜落による事故、原子力発電所など重要インフラへの故意による衝突、そしてドローンによってロンドンのガトウィック空港の滑走路が閉鎖されたように、発電所や空港などの施設の正常な運営に混乱を引き起こす可能性もあるからです。
このような理由から、プライバシーや安全を損なわないようにすることで、ドローン技術への信頼を構築して維持し、企業と個人にとって革新技術としての役割を守ることが重要です。当社は、ドローンの使用をより安全にして付随するリスクを低減し、操縦者の責任感をより高めるために、独自のアンチドローンソリューションを開発しました。このソリューションはベータテスト段階にあり、提供開始は2020年初めを予定しています。
Kaspersky Antidroneのソフトウェアは、インテグレーションパートナーが提供する複数のハードウェアモジュールを連携させ、ドローンとそのほかの物体を識別します。初期探知モジュールは、ビデオカメラとお客様のニーズと環境に応じてレーダー、LIDAR(ライダー)、およびオーディオセンサーを利用してドローンを探索します。レーザースキャナーによるドローン位置の特定は、当社のソリューション独自のものであり、この分野への適用は初となります。
初期探知モジュールは、上空で移動する物体の座標を専用サーバーに送信し、専用サーバーからは分類とジャミングをおこなうモジュールに送信されます。このモジュールは、初期探知モジュールから送信されたデータに基づき回転して物体を追跡し、カメラをズームします。同時に、ニューラルネットワークを用いた機械学習により、映った物体がドローンであるかどうかを分析します。ドローンと識別した場合は、専用サーバーから分類とジャミングをおこなうモジュールにコマンドが送信され、ドローンとコントローラー間の通信を妨害します。これにより、ドローンは離陸した場所まで戻るか、コントローラーとの通信を失った場所に着陸します。物理的な接触や攻撃はしないため、ドローンが損傷することはありません。
Kaspersky Antidroneのプロジェクト責任者であるウラジーミル・トゥーロフ(Vladimir Turov)は次のように述べています。「私自身も含め、Kaspersky Antidroneチームの多くのメンバーは、ドローンパイロットとしてかなりの経験を持っています。ドローンは時に現実的な脅威となり得ます。私も公開イベントで何度か危険な状況を目にしたことがあり、ドローン技術の使用を取り巻く懸念につながっていると感じます。ドローンパイロットは、どこが制限空域かを分かっていないことも珍しくなく、そのため、ドローンが不意に墜落したり、敵対的な防護手段によって物理的に攻撃を受けたりすると、大きなストレスを感じます。そのため、当社製品の開発時には、安全に対する要件や懸念だけでなくドローン愛好者の利益も考慮しました」
このソフトウェアは、サードパーティのハードウェアに搭載されたスタンドアロンソリューションとして、またはオフロード車など移動体へ設置して利用できるほか、スマートホームのインフラなど、監視システムに組み込むことも可能です。
Kaspersky Antidroneおよび詳細については、こちらをご覧ください。(英語)
※ Kaspersky Innovation Hub
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