スマートフォンをサイバー犯罪者から守るには
スマートフォンがハッキングされると、知らない間にユーザーのIDや個人情報が盗まれる可能性があります。
近年、サイバー犯罪者の手口は巧妙化しており、ハッキングを特定することは非常に困難になっています。そのため、サイバー攻撃されたことにまったく気づかないユーザーもいるでしょう。しかし、最新のソリューションで適切な対策を行えば、サイバー攻撃から身を守ることができます。
スマートフォンには、個人のアカウントやデータがまとめて保存されているため、サイバー犯罪者にとっては格好の標的です。
私たちのスマートフォンは、銀行データ・電子メール・SNSなど、あらゆるものにつながっています。つまり、スマートフォンがサイバー犯罪者に不正アクセスされると、すべてのアプリがサイバー犯罪者に悪用されてしまうのです。
スマートフォンのハッキングとは
スマートフォンのハッキングとは、悪意のある人物がスマートフォンに不正アクセスすることです。スマートフォンだけでなく、通信データを狙うなど、さまざまな手口が存在します。
これらのハッキングには、高度な不正侵入から、安全性の低いインターネット接続に対する盗聴まで幅広い手法があります。
また、スマートフォンを物理的に盗み、総当たり攻撃などの強引な方法でハッキングすることもあるでしょう。AndroidやiPhoneなどあらゆる種類のスマートフォンが被害に遭うリスクがあるのです。
誰でもスマートフォンのハッキングを受ける可能性があるため、被害を受けたデバイスを特定する方法について知っておくことをおすすめします。
スマートフォンがハッキングを受けているか確認する方法
以下の項目に1つでもあてはまる場合は、スマートフォンがハッキング被害を受けている可能性があります。
1.スマートフォンのバッテリーの減りが早い
マルウェアや悪意のあるアプリが悪質なコードを利用することにより、スマートフォンの電力を大量に消費する場合があります。
2.スマートフォンの動作が異常に遅い
不正侵入されたスマートフォンは動作が非常に遅くなります。これは、サイバー犯罪者が仕掛けた悪意のあるアプリケーションにより処理能力が奪われるためです。
具体的な症状としては、予期しないフリーズやクラッシュ、再起動などがあげられます。
3.使用しているオンラインアカウントに不審な形跡がある
サイバー犯罪者がスマートフォンに侵入すると、重要なアカウントのアクセス情報を盗み出そうとします。
不審な形跡がある場合は、お使いのSNSと電子メールをチェックしてください。「パスワードリセットのメッセージ」「普段とは異なる場所からのログイン」「新規アカウント作成時の認証メール」等がないかを確認してください。
4.ログに知らない通話やテキストメッセージがある
サイバー犯罪者は、スマートフォンを傍受するためにSMS型トロイの木馬を使用することがあります。本人になりすまして、友人や家族から個人情報を聞き出すこともあるでしょう。
いずれの手法も、送信メッセージなどの痕跡が残るため、こまめに履歴を確認してください。
スマートフォンがハッキングを受けたら
ここまでは、スマートフォンがハッキング被害にあっていないかを確認する方法を紹介しました。次は、ハッキング被害の対処方法です。ここからは、個人のスマートフォンをサイバー犯罪者から守る方法について説明します。
まず、スマートフォンに侵入したすべてのマルウェアを駆除する必要があります。個人データの漏えいに対処したあと、アカウントを保護してスマートフォンをサイバー犯罪者から守ります。
スマートフォンからサイバー犯罪者を排除するには
スマートフォン用のセキュリティ製品をインストールしてください。マルウェアがないかスキャンし、見つかった場合はすべてのマルウェアを駆除します。
カスペルスキー インターネット セキュリティ for AndroidのようなAndroid向け製品を使うと、アプリをパスワードでロックして第三者の盗み見を防げます。
スマートフォンからマルウェアを一掃したら、重要なアカウントのパスワードをすべて変更します。
これらのアカウントには、次のものが含まれます。
- オンラインバンキング
- 電子メール(仕事用と個人用)
- Apple IDまたはGoogleアカウント
- スマートフォンのパスコード
- すべてのSNS
続いて、クレジットカードやネットバンキング、オンラインショッピングサービス(Amazon、eBayなど)のパスワードもすべて変更してください。
これにより、怪しい取引を特定し、銀行に対して不正な請求があったことを確実に報告できます。
スマートフォンのハッキング被害の再発を防止するには
個人情報のデジタル化が進み、セキュリティの重要性が高まっています。なぜなら、スマートフォンに紐づくデータが増えるのに伴って、スマートフォンのハッキング被害が増加しているからです。
ハッキングの手口も絶えず進化しているため、常にセキュリティに気を配る必要があります。デジタル端末の利用方法に注意しながら行動することが、自身を守る最善の方法です。知られている多くのセキュリティ対策により、ハッキングのリスクを減らせることが実証されています。
スマートフォンをサイバー犯罪者から守るには
怪しいアプリをダウンロードしない
アプリが信頼できないと感じた場合は、インストールする前にレビューを読んで調査しましょう。アプリの安全性に不安があるときはインストールしないでください。
スマートフォンを脱獄(jailbreak)しない
脱獄を行うと知らない間にハッキング被害を受けるリスクが高まります。マルウェアやスパイウェアに感染する危険性だけでなく、最新のOSの更新に含まれるセキュリティパッチが適用できなくなることもあります。
脱獄した端末は、その機能を維持するために更新パッチを回避するので、ハッキングを受けるリスクがさらに高まるでしょう。
スマートフォンを常に肌身から離さない
スマートフォンを悪用する最も簡単な方法は、物理的に操作することです。スマートフォンが盗まれると、少し手を加えられただけで不正侵入の被害を受ける可能性があります。
そのため、スマートフォンは常に肌身から離さないようにしてください。これを意識するだけでも、サイバー犯罪者によるスマートフォンへの不正侵入が難しくなるでしょう。
必ずパスコードロックを使用し、複雑なパスワードを設定する
PINコードには、一般的な初期設定である「0000」や「1234」などは使用しないでください。
簡単に推測できる誕生日や卒業記念日も使わないことをおすすめします。6文字のパスコードなど、拡張機能があれば利用してください。また、パスワードの使いまわしは絶対にしないでください。
パスワードをデバイス内に保存しない
すべてのアカウントのパスワードを頭のなかに記憶するのは難しいでしょう。代わりに、カスペルスキー パスワード マネージャーなどのパスワード管理ツールを使用してください。
このようなパスワード管理ツールを利用すると、データ保管庫に重要な認証情報を保存できます。 簡単に利用できるだけでなく、しっかりとしたセキュリティも確保できるでしょう。
インターネット履歴を頻繁に削除する
ユーザーの日常生活の動向は、ブラウザの履歴リストを見れば簡単に推測できます。クッキーやキャッシュなどを含むすべての履歴は削除しましょう。
紛失デバイス追跡サービスを活用する
屋外でデバイスを失くしたときは、「紛失デバイス追跡サービス」を使用しましょう。スマートフォンの現在の位置情報を追跡できます。
一部のスマートフォンには、こういったサービスのアプリケーションがはじめから用意されている場合があります。用意されていないスマートフォンでは、デバイス追跡機能を追加するためにサードパーティ製のアプリが必要になることがあります。
すべてのアプリを最新の状態に保つ
信頼性の高いアプリでも、サイバー犯罪者に悪用される可能性があるプログラムのバグが存在します。アプリの更新には、これらのバグの修正が含まれているため、既知のリスクからユーザーを守ってくれるでしょう。
OSにも同じことがいえますので、可能な場合はスマートフォン自体のOSを最新の状態に更新しましょう。
2要素認証(2FA)を常に有効にする
2要素認証とは、パスワードを入力したあとに必要となる2つ目の認証方法のことです。
2要素認証には、別の個人アカウントや、ユーザーが所持しているほかのデバイスが使用されます。Apple IDやGoogleアカウントは悪意のある人物にデバイスが渡った場合に備えて、2要素認証をサポートしています。
指紋やFace IDといった生体認証もよく使われるでしょう。可能であれば、物理的なUSBキーもぜひ検討してみてください。
テキストメッセージや電子メールを使った2要素認証に注意する
テキストメッセージや電子メールによる2要素認証は、第三者に傍受される可能性があります。認証がないよりは安心といえますが、SIMスワップなどのハッキング行為によって、盗み見されるリスクがあります。
公共のWi-Fiは、必ずVPN(仮想プライベートネットワーク)を使用する
カスペルスキー VPN セキュアコネクションなどの製品を使用すると、データを暗号化して匿名化できます。第三者がデータを盗み見できなくなるため、安全な環境で利用できるでしょう。