2015年のサービス開始から、「ジュニアスマホ検定」および「情報モラル診断サービス」の受検者は延べ合計2万人以上に達しました。2017年度版は、歩きスマホ、Wi-Fi利用時の注意やランサムウェアなど現状に沿った質問を追加しました。
~ 2015年のサービス開始から、受検者は延べ合計2万人以上に到達。2017年度版は、歩きスマホ、Wi-Fi利用時の注意やランサムウェアなど現状に沿った質問を追加 ~
情報セキュリティソリューションを提供する株式会社カスペルスキー(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川合林太郎 以下カスペルスキー)と国立大学法人静岡大学(所在地:静岡県静岡市、学長:石井潔 以下静岡大学)は、Webサービス「ジュニアスマホ検定」※1 および「情報モラル診断サービス」の2017年度版を、本日より無償で提供開始します。
昨今、小中学生のインターネット利用の日常化に伴い、ネット依存、ネットいじめ、犯罪被害といったトラブルが増加しています。家庭や学校で子どものインターネット利用に関する基礎知識の習得度合いと利用状況を把握することや、その向上と改善への継続的な取り組みは不可欠となっています。このような環境下での情報モラル教育の充実を目的とし、カスペルスキーのインターネットセキュリティ分野の知見と、静岡大学 教育学部 塩田真吾准教授の情報モラル教育の専門性をもとに2015年より両サービスを共同で開発・展開しています。カスペルスキーと静岡大学はサービスの提供を通して、家庭と学校との両面からインターネットを利用する子どもたちへの教育を支援していきます。
■ 小中学生と保護者向け「ジュニアスマホ検定」
ジュニアスマホ検定は、小学校4年生から中学校3年生までの児童や生徒とその保護者を対象にしたWeb検定サービスです。質問はスマートフォンなどでのインターネット利用状況と、情報モラル全般(モラル、セキュリティ、法)を検定形式で出題します。子どもは受検を通じてインターネット利用時の基礎知識を学ぶことができ、保護者も同じ検定を受けることで子どもとの知識のギャップを把握できます。検定結果をもとに話し合い、スマートフォンの利用ルールを決めることにも役立ちます。2015年6月のサービス開始以来、延べ5300人以上の子どもが受検しました。
受検した子どもからは「思ったより難しかったが勉強になった」「知らない言葉がたくさん出てきた」や、保護者からは「知っていたつもりでも、間違えた問題があった」「子どもより点数が悪くて驚いた。もっと勉強しなくてはと思った」などの感想が寄せられています。
■ 小中学校向け「情報モラル診断サービス」
情報モラル診断サービスは、教員向けのWebサービスです。学校で検定を実施し、その結果を全国対比や分布図などでわかりやすく可視化します。情報収集と分析にかかる時間と労力が軽減できるうえ、実情に沿った効果的な指導に役立てることができます。また、結果から注意を要する児童・生徒を抽出し、具体的な指導も可能になります。2015年5月のサービス開始以来、全国約300の小中学校で、延べ1万5000人以上が受検しました。
実施した教員の方からは「子どもたちが楽しそうに取り組んでいたのが印象的。情報モラルやセキュリティの学習にもつながる良い機会となった」「情報モラルは単に知識だけでなく正しい判断に基づいた行動が重要なため、両方から診断できる点に高い信頼性を感じた」「生徒のスマホ利用状況と情報モラルのレベルを一度に把握することはなかなかできなかったため、今後は他のクラスや学年を通じて取り組んでいきたい」などのコメントが寄せられています。
■ 2017年度版「ジュニアスマホ検定」の更新点
情報モラル全般(モラル、セキュリティ、法)について、現在のインターネットを取り巻く状況に沿った質問を加えました。例えば、モラルではスマホ依存や歩きスマホ、セキュリティではWi-Fi利用時の注意、ランサムウェア、法では替え歌に関する著作者人格権などです。
■ 小中学生と保護者向け「ジュニアスマホ検定」
対 象:小学校4年生から中学校3年生とその保護者
概 要:
- 受検レベルは2種類あり、小学校4年生から6年生を対象にした「基本」は16問、中学生を対象にした「上級」は25問が出題されます。
- インターネットの利用状況を尋ねる質問と、情報モラル全般(モラル、セキュリティ、法)に関する質問がランダムに出題されます。
- 得点配分は100点満点中、インターネット利用状況が10点、情報モラル全般が90点です。(モラル30点、セキュリティ30点、法30点)
- 受検結果が80点以上の場合は合格証書が表示され、印刷することもできます。
- 会員登録して受検すると履歴が残せるため、理解度の変化を確認したり、正しい解答を学んだ上で再受検することができます。会員登録しなくても受検できます。
- 保護者が子どもと同じレベルを受検することで、知識のギャップを把握し家庭での教育に生かすことができます。
- スマートフォン利用時のルールが作成できます。印刷して家庭内で掲示し、ルールを守った使い方を意識することに役立てられます。
「ジュニアスマホ検定」公式サイト https://www.sumaho-kentei.jp
■ 小中学校向け「情報モラル診断サービス」
対 象:全国の小中学校(小学校4年生から中学校3年生)
概 要:
- 検定内容はジュニアスマホ検定の「上級」と同じです。
- 児童・生徒は「生徒用マイページ」で、解答結果と解説、診断履歴が確認できます。
- 教員は「教師専用ページ」で、事前にクラス情報や児童・生徒情報(新規登録、編集、パスワードリセット、診断履歴)の登録や、問題および解説を確認することができます。また、診断結果分布図、クラス別全国対比のグラフを見ることができます。
「情報モラル診断サービス」公式サイト https://www.netmoral.net/
■ 参考プレスリリース
2015年6月23日 カスペルスキーと静岡大学が共同開発、小中学生と保護者向け「ジュニアスマホ検定」の無償提供開始 http://www.kaspersky.co.jp/about/news/business/2015/bus23062015
2015年5月19日 カスペルスキーと静岡大学が共同開発、 小中学校教員向け「情報モラル診断サービス」の無償提供開始 http://www.kaspersky.co.jp/about/news/business/2015/bus19052015
2016年5月18日 カスペルスキーと静岡大学、小中学生の情報モラルに関する共同調査結果を発表 http://www.kaspersky.co.jp/about/news/business/2016/bus18052016
※1「ジュニアスマホ検定」について
質問内容は、内閣府が実施する「青少年のインターネット利用環境実態調査」、文部科学省などが示す「情報モラルで身につけるべき5つの柱」(情報社会の倫理、法の理解と遵守、安全への知恵、情報セキュリティ、公共的なネットワーク社会の構築)に沿っています。
■ 静岡大学 教育学部 塩田研究室 塩田真吾氏 プロフィール
静岡大学 教育学部 学校教育講座 准教授。1981年生まれ。早稲田大学大学院博士課程修了、博士(学術)。2009年より現職。専門は、教育工学、情報教育、授業デザイン。「社会とつながる授業」をテーマに、様々な企業と連携しながら「授業デザイン」について工学的に研究している。主な著書に、『企業とつくる授業』(2004)、『楽しく学ぶメディアリテラシー授業』2008)などがある。静岡県ネット安全・安心協議会 委員長、NPO法人企業教育研究会副理事長。