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5月のウイルスTop20

2005年6月1日

カスペルスキーが送るウイルスランキングTOP20

先月のランキングでは多くのMytob亜種が登場したが、5月は比較的静かな動きとなった。上位6つのワームはほぼ順位が変わらず、LovGateとZafiが順位が入れ替わっただけである。Netskyが上位を占め、古参の3つのワーム (Zafi、LovGate、Sober) の亜種が続き、その後にMytobの亜種が躍進している。

ランキング7位以降の動きについては興味深い。先月はMytobの6つもの亜種が登場するなど劇的な動きであったが、今月はそこまでの激しい登場劇は無かった。それでも、今月になっていくつかの新しいワームが、新たに姿を見せている。

今月7位にランクインしたSober.pは、ドイツ生まれの新しい亜種である。5/2に新しく検出され、対応がいきわたる約一週間の間に、ヨーロッパのインターネット業界に大きな影響を及ぼした。Sober.qは今月ランクインしなかったが、これは本来のワームの特徴である自身の拡大活動は行わない、右翼的なメッセージを配信するスパムメールbotだったのである。Sober.pで土台を作り、Sober.qでスパムを配信する2段構えで、しっかりと役割分担を行っていたのである。

激しい競争の中、あるいは競争が目的なのかもしれないが、Mytobの作者は、ランキングをMytobで埋め尽くすことを目標として、その活動を緩めなかった。先月は6つの新しい亜種がランクインしたが、5月はさらにMytob.arとMytob.auという2つの亜種がこれに加わった。しかし、Mytob.arは21位に終わったため、今月ランクインしたMytobの亜種は7つとなった。Mytobの新しい亜種は3日に1つというペースで検出されており、この脅威的な活動はまだまだ続くと見られている。

Eyeveg.fは、今月新たにランクインした。Eyeveg.aが2003年9月に初めて登場してから、Eyeveg.fの亜種はずっとランクインしていなかった。今後の動きが興味深い。

現在14位のEyeveg.fは、今までのよくあるメールワームとは違い、インターネットエクスプローラの内部で活動する「Browser Helper Object」を含んでいる。Eyeveg動作の特徴として、感染したPCのキータイプの内容を追跡するKeyloggerとして機能し、取得したキータイプ情報 (ネットバンクや通販で入力したID、パスワード、カード情報なども当然含まれる) を、遠隔の悪意あるユーザーに送信する。他にも2つの亜種が登場したが、その活動は成功には至らなかった。Eyeveg.gは23位で、Eyeveg.hに至っては50位圏内にも入らなかった。

TOP20のその他のウイルスの動きとしては、NetSkyとMydoomの亜種が上下し、他のウイルスもさまざまな活動を行っていた。これらの動きは、何万台といった大量の感染したPCが支えている。それらのマシンは、アンチウイルスソフトを入れていなかったり、更新していなかったり、OSのセキュリティホール対策を行っていないものがほとんどである。

その他の、メール通信上で検知された有害プログラムは15.79%に達した。これは、多くの種類のワームやトロイの木馬が、インターネット上で活動している結果といえるであろう。

要 約:

新着Sober.p, Mytob.ar, Mytob.au, Eyeveg.f
上昇Zafi.b, Mytob.u, Mytob.h, Mytob.t
降下LovGate.w, Zafi.d, Mytob.q, NetSky.d, Mydoom.m, NetSky.t, NetSky.x
不変Mytob.c, NetSky.q, NetSky.aa, NetSky.b, Mydoom.l

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カスペルスキーが送るウイルスランキングTOP20
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