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Kaspersky Lab、2010 年のスパムレベルの沈静化を発表

2011年3月2日

Kaspersky Lab は 2010 年のスパム分析に関するアニュアルレポートを発表しました。

本リリースは、2011 年 2 月 17 日にロシア モスクワにて発表されたニュースリリースの抄訳です。


Kaspersky Lab は 2010 年のスパム分析に関するアニュアルレポートを発表しました。

2010 年は、司法当局、アンチウイルスベンダー各社および専門家達が協力し、スパムとの戦いで数々の勝利を収めた年でした。スパマーを対象とした大規模な撲滅活動により、Waledac、Pushdo/Cutwail、Lethic および Bredolab といったボットネットを閉鎖に導きました。8 月に司法当局は、世界中のスパムの 10% に関与していると見られる Pushdo/Cutwail ボットネットの 20 のコントロールセンターを閉鎖させました。また、10 月 25 日には、世界中の約 3,000 万台のゾンビコンピューターを制御していた 143 の Bredolab コントロールセンターも閉鎖に追い込み、詐欺グループに決定的な打撃を与えました。

Kaspersky Lab のエキスパートによると、これらの措置により、昨年末には 2ヶ月にわたってスパム数が減少し続け、これは史上初の長期の減少となりました。この活動の結果として注目すべきは、米国発のスパムの数が大幅に減少したという点です。メールトラフィック内に最も高い割合でスパムが検知されたのは 2 月 21 日 (全体の 90.8%)、最も少なかったのは 10 月 28 日 (70.1%)、そしてこの年の平均は 82.2% でした。

同時に、ボットネットの作成者は、法的規制による影響が比較的小さい国でボットネットを展開し始めたため、東ヨーロッパから送信されるスパムの数が増加しました。しかし、全スパムメールの 11.33% を送信した米国が 2009 年に引き続き第 1 位となり、これにインド (8.3%)、ロシア (6.0%) が続きました。2010 年のスパム配信国トップ 20 のほとんどをアジアおよび東ヨーロッパ諸国が占め、これに対して西ヨーロッパ諸国はごく少数に留まりました。

2010 年にはスパムの犯罪化が加速しました。中小規模のビジネスは、この不正な広告手法を徐々に敬遠するようになり、代わりに詐欺グループ、および偽物や不正な製品の販売者が主にスパムを利用するようになりました。また、ユーザーは 2009 年の 2 倍もの数 (+3.8%) の詐欺メールを受信するようになりました。

メールに含まれるマルウェアの数も増加しました。2010 年に受信されたすべてのメールのうちの 2.2% に悪質なファイルが検出されました。これは 2009 年の 2.6 倍に相当します。8 月には悪質なコンテンツを含むメールの割合は 6.29% となり、この年のピークとなりました。

サイバー犯罪者たちは、スパムフィルターを回避し、ユーザーを感染サイトに呼び込もうと必死な努力を見せました。人気のある Web リソースからの公式通知にそっくりなメールを送信したり、また通常はユーザーの目には触れないものの、アンチスパムフィルターがスパムの判断基準とするメールヘッダーの偽造も行いました。Kaspersky Lab のエキスパートは、警戒を怠らず、不審なメールの添付ファイルは無視し、リンクは絶対クリックしないようユーザーに訴えています。

2010 年の英文スパムの最多分野は、医薬品および健康関連グッズ/サービスでした。2009 年と比較して、オンライン広告サービス (-6.1%) およびアダルトコンテンツ分野 (-4.6 %) のスパムの割合は大きく減少しました。9 月にオンライン薬局のアフィリエイトサイト SpamIt が閉鎖した後、医薬品を紹介することで金儲けをしていたスパマーたちは、他のさまざまなアフィリエイトプログラムを探し始めました。このため、オンラインカジノやポルノサイトの宣伝など、さまざまな種類のスパムが短期間に増える結果となりました。

「スパムの送信は、これからもサイバー犯罪者たちの主な金儲けの手段であり続けるでしょう。」Kaspersky Lab のコンテンツ分析調査部門チーフのダリア・グトコヴァはこう予測しています。「2011 年には、フィッシング、スパム送信、およびソーシャルエンジニアリング技術を組み合わせた巧妙な攻撃が続発すると考えます。スパマー達は失われたボットネットを取り戻すために悪質なスパムの配信に明け暮れるでしょう。このため、メールトラフィック内のスパム数は必然的に増加すると思われます。サイバー犯罪者たちは、セキュリティソフトウェアの取り扱いや、サイバー犯罪を実行しやすい国でのボットネットの展開をより慎重に進めるようになるでしょう。」


2010 年のアニュアルスパムレポートの全文 (英文のみ) は、こちらでご覧いただけます :
http://www.securelist.com/en/


【Kaspersky Lab について】http://www.kaspersky.co.jp/
Kaspersky Lab はウイルス、スパイウェア、クライムウェア、ハッカーによる攻撃、フィッシング詐欺、スパムといった IT 上の脅威に対抗して、世界で最も迅速かつ高品質な保護を提供しています。また、個人および法人のお客様を対象とした各種製品において、業界最高の検知率と最短の対応時間を実現しています。 Kaspersky Lab の技術は業界を代表する IT セキュリティソリューションに、広く世界中で採用されています。詳細については http://www.kaspersky.co.jp/ をご覧ください。また、IT セキュリティに関する最新情報を http://www.viruslistjp.com/ にて提供しています。


<本件に関する報道関係の方のお問い合わせ先>
株式会社 Kaspersky Labs Japan 広報事務局
電話:03-5687-7830 FAX:03-5687-7837
メールアドレス: press@kaspersky.co.jp

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