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Rustock ボットネットの閉鎖により一時的にスパムが大幅に減少

2011年5月10日

Kaspersky Lab は 2011 年 3 月度のスパムレポートを発表します。メールトラフィックにおけるスパムの割合は、2 月から 0.9 ポイント増加し、月平均 79.6% となりました。日本の大震災とリビアの紛争は、スパムに現在最も多く利用されているテーマです。

本リリースは、2011 年 4 月 19 日にロシア モスクワにて発表されたプレスリリースの抄訳です。


Kaspersky Lab は 2011 年 3 月度のスパムレポートを発表します。メールトラフィックにおけるスパムの割合は、2 月から 0.9 ポイント増加し、月平均 79.6% となりました。日本の大震災とリビアの紛争は、スパムに現在最も多く利用されているテーマです。

Rustock ボットネットの閉鎖

マイクロソフトと米国司法当局が協力して対応した結果、全世界のスパムのうちの 30~40% に関与していると考えられたスパムボットネットの Rustock を閉鎖に追いこんだとの発表が 3 月中旬にありました。Kaspersky Lab のアナリストは、3 月 17 日から 20 日の間にスパムの減少を確認しました。ボリュームでは約15ポイントの減少です。しかし、ボットネットが閉鎖して一週間もしないうちに、スパムトラフィックは再度増加を始めました。Kaspersky Lab のシニアスパムアナリスト、マリア・ナメスニコヴァは次のようにコメントしています。「スパマーやボットマスターは、2010 年末に別のボットネットが閉鎖された際の教訓を活かして、Rustock ボットネットが閉鎖された後すぐさま以前のスパム送信量を取り戻しています」Kaspersky Lab のエキスパートによると、月平均のスパム発生数は 2010 年夏のレベルまで戻りそうな勢いで増加しています。

スパム送信国

3 月も全スパムトラフィックのうち11.42% を送信したインドが引き続きトップになりました (2 月から 2.59 ポイントの増加)。3 月はブラジルがロシアに代わって 2 位になっています。ブラジルから送信されたスパムはスパムトラフィック全体の 6.6% で、2 月の数値から 2 ポイントの増加です。3 位のロシアは 2 月と変わらず 4.8% でした。4 位と 5 位のインドネシアとイタリアが全体に占める割合はそれぞれ 4.3%、4% です。マリア・ナメスニコヴァは次のようにコメントしています。「我々の予想に反して、この月は米国がスパム送信国トップ 5 に入りませんでした。3 月に米国から送信されたスパムの量は 2 月と同じレベルです。しかし、米国をターゲットとしたマルウェア攻撃の増加は特筆すべき事項です。このことは、サイバー犯罪者たちが協力して米国内のボットネットを甦らせようとしていることを意味しているのかもしれません」

メールトラフィック内のマルウェア

3 月には、全メールの 3.23% にマルウェアを含んだファイルが検知され、この数値は前月から0.05 ポイントの増加となりました。メールアンチウイルスによる国別の検知率ランキングには大きな変化が見られました。メールトラフィック内にマルウェアが最も多く検知された国は相変わらずロシアでした (すべての悪質な添付ファイルのうち 12.7%)。米国は僅差の 2 位 (12.5%) で、2 月と比較して 1.9 ポイント増加しました。検知されたすべての悪質な添付ファイルのうち 6.2% を占めた英国は、2 月から 1.1 ポイント増加して 3 位にランクアップしました。インド発 (4.35%) とベトナム発 (5.61%) のマルウェアのシェアは、ここ数ヶ月で着実に減少しています。3 月にはインドは 2 ランクのダウンで 6 位に、ベトナムは 3 位から 4 位に後退しました。3 月にメール送信されたトップ 10 のマルウェアの半数以上が Trojan-Downloader.Win32.Deliver ファミリーに属しています。このタイプのプログラムは、ユーザーが知らないうちにコンピューター上に新しいバージョンのマルウェアをインストールするトロイの木馬ダウンローダーとして分類されます。

フィッシング攻撃の矛先から逃れるオンラインバンキングシステム

3 月にフィッシング攻撃を受けた企業トップ 10 の中でも、群を抜いていたのが PayPal でした。また、Facebook、Habbo、および World of Warcraft といった人気の高いオンラインゲームも格好の攻撃対象となりました。

このランキング内の顔ぶれの半数以上がオンラインサービスですが、オンラインバンキングシステムが下位を占めていることから見て、フィッシング詐欺師たちは銀行にはあまり興味がないことがわかります。3 月のすべてのメールトラフィックのうち、フィッシングメールが 0.02% を占めました。これは前月より 0.01 ポイントの減少です。


2011 年 3 月度のスパムレポート全文は次のページでご覧いただけます:
www.viruslistjp.com


【Kaspersky Lab について】http://www.kaspersky.co.jp/
Kaspersky Lab はウイルス、スパイウェア、クライムウェア、ハッカーによる攻撃、フィッシング詐欺、スパムといった IT 上の脅威に対抗して、世界で最も迅速かつ高品質な保護を提供しています。また、個人および法人のお客様を対象とした各種製品において、業界最高の検知率と最短の対応時間を実現しています。 Kaspersky Lab の技術は業界を代表する IT セキュリティソリューションに、広く世界中で採用されています。詳細については http://www.kaspersky.co.jp/ をご覧ください。また、IT セキュリティに関する最新情報を http://www.viruslistjp.com/ にて提供しています。


<本件に関する報道関係の方のお問い合わせ先>
株式会社カスペルスキー 広報事務局
電話:03-5687-7830 FAX:03-5687-7837
メールアドレス: press@kaspersky.co.jp

Rustock ボットネットの閉鎖により一時的にスパムが大幅に減少

Kaspersky Lab は 2011 年 3 月度のスパムレポートを発表します。メールトラフィックにおけるスパムの割合は、2 月から 0.9 ポイント増加し、月平均 79.6% となりました。日本の大震災とリビアの紛争は、スパムに現在最も多く利用されているテーマです。
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Kaspersky について

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