Kaspersky Lab は、2011 年 2 月度のスパムレポートを公表いたします。メールトラフィックにおけるスパムメールの割合は、前月から 1.1 ポイント増加し、月平均 78.7% となりました。
Kaspersky Lab は、2011 年 2 月度のスパムレポートを公表いたします。メールトラフィックにおけるスパムメールの割合は、前月から 1.1 ポイント増加し、月平均 78.7% となりました。カスペルスキー研究所のシニアスパムアナリスト、マリア・ナメスニコヴァは次のようにコメントしています。「昨年後半に主要なボットネットが閉鎖に追い込まれて以来、スパマー達は徐々に巻き返しを図っています。2011 年の 4 月~5 月には、スパムの割合は 81~82% 程度に戻ると予測します」
スパム送信国
2 月も全スパムトラフィックのうち 8.83% を送信したインドが引き続きトップとなりました。これは、1 月から 1.02 ポイントの減少です。2 位はインドの約半分のスパムを送信したロシアで、前月から 4.26 ポイントの減少でした。ブラジルは 3 位 (+0.41 ポイント)、インドネシアが 4 位 (-0.39 ポイント) にランクアップしました。前月 6 位の韓国は 1.4 ポイント増加し、今回初めてトップ 5 入りしました。一方イタリアは、6 位 (-0.78 ポイント) に後退しました。
米国発のスパムトラフィックが復活
米国は、2 月の時点でスパム送信国ランク 8 位でした。しかしこの国から送信されたスパムトラフィックは徐々に増えています。2010 年 8 月に Pushdo/Сutwail ボットネットが閉鎖されてから、米国発のスパムの数は大幅に減少し、年末には過去最低レベルとなりました (10~12 月には約 1~1.5%)。しかし、2 月には 4.27% と、直前の 4ヶ月で最も多いレベルにまで戻り、今後 2、3ヶ月もこの傾向が続くと考えられます。
メールトラフィック内のマルウェア
2 月には、全メールトラフィック内の 3.18% にマルウェアファイルが検知されました。この数値は、前月から 0.43 ポイント増加しています。2 月にランクインしたマルウェア群は、大まかに 2 種類に分類できます。1 つめのグループは、主にメールアドレスを詐取して増殖に利用するタイプのメールワームです。このようなワームの一部は、感染させたコンピューター上に別のマルウェアをインストールします。2 つめのグループは、主に金融関連の個人情報を盗むことを目的としたプログラムです。その他にも、コンピューターをダウンさせ、アクセス復旧の見返りに支払いを要求するマルウェアもランクインしています。
アンチスパム法
中国および米国当局は、共同文書「Fighting Spam to Build Trust」の策定を進めており、これを 3 月に発表する予定です。「これはアンチスパム法という分野における大きな出来事です」マリア・ナメスニコヴァはこう説明します。「スパムは国際的かつ局地的な問題です。そのため、対スパムの取り組みは、国の枠を超えて行う必要があります。他国の当局もこの動きに触発され、後に続くことを望みます」2011 年 2 月度のスパムレポートの全文は、次のページでご覧いただけます:www.viruslistjp.com