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2012 年度スパムレポート:スパムの割合、継続的に下落し 5 年ぶりの低水準に

2013年1月22日

Kaspersky Lab のデータによると、E メールトラフィック内のスパムの割合は、2012 年を通して着実に減少し、5 年ぶりの低水準となりました。

本リリースは、2013年 1月21日にロシア モスクワにて発表されたニュースリリースの抄訳です。

Kaspersky Lab のデータによると、E メールトラフィック内のスパムの割合は、2012 年を通して着実に減少し、5 年ぶりの低水準となりました。この年の平均は 72.1% で、2011 年より 8.2% ポイント下落しています。これほど長期的かつ大幅なスパムの割合の減少は前例がありません。

スパム量減少の主な理由は、アンチスパムによる保護レベルの向上です。今や無料サービスを含むどのような E メールシステムでも、スパムフィルターが用いられています。また多くの E メールサービス提供者は、DKIM 署名ポリシー(E メール送信元のドメインを検証する電子署名)を強制的に採用しています。もう 1 つの要因は、合法的な広告配信が安く行えるようになったことです。Web 2.0 の出現に伴い、バナー、コンテキストベースの広告、ソーシャルネットワークやブログでの広告など、インターネット上での広告機会が急増しています。

メールトラフィック内のスパムの割合

メールトラフィック内のスパム全体の割合が下落したにもかかわらず、悪質なファイルが添付された E メールの割合は 3.4% とわずかな減少に留まりました。この数字に含まれるのは、悪質な添付ファイルを含む E メールのみで、悪質な Web サイトへのリンクを含むスパムメールは除外されることを考慮すると、これはかなり大きな割合であると言えます。一方、悪質な E メールで使用されたテーマの幅広さも印象的でした。これまでは、ホスティングサービス、ソーシャルネットワーク、デリバリーサービス、あるいは金融機関や政府組織からの通知を装ったものがほとんどでした。2012 年には、数々の航空会社やホテルの予約サービス、クーポンサービスなどからのメッセージを装ったものなど、レパートリーが広がっています。

スパム発信源の国別分布

2012 年にはスパムの発信源となった国の分布に大きな変化がありました。2011 年にはトップ 20 圏外であった中国からの迷惑メールが 2012 年には世界のスパムメールの 19.5% を占め、1 位となりました。米国発のスパムの割合は 13.5 ポイント増えて 15.6% となり堂々の 2 位にランクインしました。地域別ではアジアが最多の発信源です。この 1 年で、アジア発のジャンクメールの割合は 11.2 ポイント増加し、50% 超となっています。米国発のスパムの割合が増加したことにより、北米地域は 15.8% でトップ 10 中の第 2 位です(2011 年度はわずか 2%)。逆に南米は 8 ポイント減少の 11.8% でした。ヨーロッパも順位を下げています。2012 年度の東西ヨーロッパ全体からのスパムの割合は 15.1% でした。この数字は 2011 年度の約半分となっています。

スパム送信国の割合

E メール内の悪質な添付ファイル

2012 年のメールアンチウイルスによる検知数のランキングでは、米国が 1 位でした。数ヶ月間ドイツが 1 位でしたが、年平均では 2 位となり、第 3 位は英国でした。2011 年に首位であったロシアは、この年には 9 位に下落しています。

Kaspersky Lab のコンテンツ解析 & リサーチグループ リーダーであるダーリャ・グトゥコーヴァ(Darya Gudkova)は次のようにコメントしています。「2012 年に、スパムの割合は一年を通じて減少し、最後の 3 ヶ月間は 70% 以下に留まりました。これは商品やサービスの広告が、スパムからもっと便利で合法的な手段に移行し始めたためでしょう。だからと言ってスパムがすぐに廃れるというわけではありません。そもそも法に触れる性質を持つ悪質なスパム、詐欺、そして違法な物品の広告を、簡単に合法的なやり方に変えることはできないでしょう。多く見積もったとしても、2013 年のスパムの割合の減少は、わずかなものになるでしょう。」

【Kaspersky Lab について】https://www.kaspersky.co.jp/
Kaspersky Labは、世界最大の株式非公開のエンドポイント保護ソリューションベンダーです。同社はエンドポイント向けセキュリティソリューションにおいて全世界でトップ4*にランクインしています。Kaspersky Labは15年間にわたり、ITセキュリティ市場でイノベーターとして、効果的なデジタルセキュリティソリューションを個人および法人向けに提供しています。同社は現在、およそ200の国と地域で営業活動を行っており、全世界で3億人を超えるユーザーの保護を行っています。詳細については https://www.kaspersky.co.jp/ をご覧ください。

*Kaspersky Labは、IDCのWorldwide Endpoint Security Revenue by Vendor, 2011(エンドポイントセキュリティ世界市場ベンダー別 – 2011年)で4位にランクされました。このランキングは、2012年7月に出版されたIDCレポート"Worldwide IT Security Products 2012-2016 Forecast and 2011 Vendor Shares"(世界におけるITセキュリティ製品市場:2012年~2016年の予測と2011年のベンダーシェア)に掲載されました。このレポートは、2011年のエンドポイントセキュリティソリューションの販売による収益からソフトウェアベンダーを評価する(ランキングする)ものです。

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Kaspersky Lab のデータによると、E メールトラフィック内のスパムの割合は、2012 年を通して着実に減少し、5 年ぶりの低水準となりました。
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Kaspersky について

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