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2月のスパム:スパマーたちが仕事に戻る

2013年3月28日

2 月に入り、スパマーたちは数か月間の小休止を終えて再び仕事に本腰を入れ始めたようです。

本リリースは、2013 年 3 月 21 日にロシア モスクワにて発表されたニュースリリースの抄訳です。


2 月に入り、スパマーたちは数か月間の小休止を終えて再び仕事に本腰を入れ始めたようです。Kaspersky Lab のデータによると、E メールトラフィック内のスパムの割合は、およそ 13 ポイント増加して月平均 71% となりました。これは、今年 1 月の平均、および 2012 年の最後の 3 か月の平均よりも多い割合です。

悪質な E メールの最大の標的となった国はイタリアでした。メールアンチウイルスによる検知率の割合ランキングでは、イタリアが 9.4 ポイント増えて月平均 14.4% となり、長期間首位であった米国を 2 位に追いやりました。

E メール経由でマルウェアを配信する方法としては、さまざまな金融機関を騙って偽の通知メールを送信する方法が最も多く見受けられました。なかでも、メール経由で拡大するマルウェアランキングで 2 月に 2 位になった Trojan-Banker.HTML.Agent.p は、特にイタリアで多く用いられました。このトロイの木馬プログラムは有名な銀行や電子決済システムの登録フォームを装った HTML ページの形で配信され、フィッシング詐欺師たちはそこからオンラインバンキングシステムのユーザーログイン情報を盗もうとします。

現在詐欺師たちに一番人気の企業は、Google です。2 月に、Google の名を騙ったメールが大量に配信され始めました。このメールには、「現在あなたの履歴書を審査中です」と書かれていて、取り違いを避けるために、添付ファイルを開いて履歴書の内容が正しいかチェックするようにと書かれています。この添付ファイルは Zip 形式のファイルで、ユーザーのコンピューターからパスワードなどの個人情報を詐取するためのマルウェアが格納されていました。

一方、スパムの発信源の分布には大きな変化がありました。この月、ヨーロッパのユーザーに対するスパムの送信国ランキングでは、韓国が首位でした。韓国発のスパムの割合は 27.7 ポイントも増加して、50.9% となりました。前月首位だった中国(3%)は、36.6 ポイントも減少して 6 位にまで後退しました。これら 2 つの国のシェアが大きく変わったのは、スパマーグループが配信に利用するボットネットを切り替えたのが原因ではないかと見ています。

世界全体を見た場合、2 月には、米国が最大のスパム送信国となりました。中国からのスパムの割合は半減して第 2 位に後退しました。1 月と同様に、3 位は韓国でした。

 
スパム送信国の割合(国別)

Kaspersky Lab のコンテンツ解析 & リサーチグループ リーダーのダーリャ・グトゥコーヴァ(Darya Gudkova)は次のようにコメントしています。「2 月には E メールトラフィック内のスパムの割合が大きく増加しましたが、これが新しいトレンドの始まりだとは考えていません。おそらく 1 月は正月休みで、スパム配信用ボットネットに使われていた多くのコンピューターが停止していた反動だと推察しています。また、2 月のスパムメールの割合は、2012 年全体の平均と比べても、多少少ない程度です。いずれにしても、近い将来に劇的な変化があるとは考えていません。現在特に心配しているのは、スパムの添付ファイルの大半が、オンラインバンキングシステム用のアカウント情報の詐取を目的としたプログラムであるということです。これらは登録フォームを模した HTML ページの形で配信されるものです。このような E メールには細心の注意を払い、添付ファイルは決して開いてはいけません。オンラインバンクのページへは、ブラウザー経由でのみアクセスするようにしてください。」

2013年 2月度のスパムレポート全文は次のページでご覧いただけます。
http://www.viruslistjp.com/analysis/?pubid=204792284


【Kaspersky Lab について】http://www.kaspersky.co.jp/
Kaspersky Labは、世界最大の株式非公開のエンドポイント保護ソリューションベンダーです。ITセキュリティ市場におけるイノベーターとしてKaspersky Labは15年以上にわたり、大企業および中小企業から個人ユーザーまで幅広いお客様に効果的なデジタルセキュリティソリューションを提供しています。同社は現在、英国で登記された持ち株会社も含め、世界中のおよそ 200 の国と地域で営業活動を行っており、全世界で 3 億人を超えるユーザーを保護しています。
詳細については http://www.kaspersky.co.jp/ をご覧ください。

2月のスパム:スパマーたちが仕事に戻る

2 月に入り、スパマーたちは数か月間の小休止を終えて再び仕事に本腰を入れ始めたようです。
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Kaspersky について

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