ランサムウェアによって暗号化されたファイルを復号するツールは、官民連携のランサムウェア対抗プロジェクト「No More Ransom」および当社の専用ポータルサイト「No Ransom」で提供しています。
本リリースは、2024年1月15日にKasperskyが発表したプレスリリースに基づき作成したものです]
当社では、ランサムウェアによって暗号化されたファイルを復号するツールを提供しています。その累計ダウンロード回数が36万回を超えました(2018年~2023年)。復号ツールは、官民連携のランサムウェア対抗プロジェクト「No More Ransom(ノーモアランサム)(https://www.nomoreransom.org/ja/index.html)※1」のポータルサイト、および当社の専用ポータルサイト「No Ransom(ノーランサム)(https://noransom.kaspersky.com/)」から利用でき、ランサムウェアの被害者に効果的なデータ復元ソリューションを無償で提供しています。
当社が2016年に「No More Ransom」プロジェクトの設立メンバーとして活動を開始してから、2023年で7年となりました。この期間、当社が提供する復号ツールへのアクセスは増え続けました。欧州刑事警察機構(ユーロポール)によると、39種類のランサムウェアファミリーに対応する当社の復号ツールは、約200万件の暗号化されたファイルを復号することに寄与しました。
また、対ランサムウェアへの取り組みをさらに強化するために、当社の復号ツールを包括的に提供するポータルサイト「No Ransom」を、オランダ国家警察の協力を得て2015年に立ち上げています。なお当社は、2008年にも対ランサムウェアの取り組み「Stop Gpcode」プロジェクトを開始しています。
当社の復号ツールは「No More Ransom」と「No Ransom」ポータルを合わせて、36万回以上ダウンロードされました(2018年~2023年)。2023年3月には、以前流出したランサムウェア「Conti」のソースコードを改変した亜種に対応する復号ツールを新たに公開しました。
サイバー犯罪者たちは驚くべき速さで新たなランサムウェアの亜種を使用しており、当社が新たに確認したランサムウェアファイルの数は、2023年10月だけでも4,000件に上り、これは2022年11月の1,602件から2.5倍となっています。このことは、強固な保護対策が引き続き重要であることを明確に示しています。
Kasperskyのグローバル調査分析チーム※2でシニアセキュリティリサーチャーを務めるジョーント・ファン・デア・ウィール(Jornt van der Wiel)は次のように述べています。「サイバー脅威が進化し続けるのに伴い、官民の連携がますます重要になりつつあります。『No More Ransom』と『No Ransom』は、ランサムウェアの被害者を支援し、予防のアドバイスを提供するなど、さまざまな組織間連携による取り組みが大きな効果をもたらすことを例証しています。また、身代金の支払いに応じることは決して解決策にはならないことを理解することが重要です。その代わりに、個人も企業も、さまざまな機関が連携し提供している復号ツールやリソースを利用することを強く推奨します。こうしたツール類を利用することで、脅迫に屈することなくデータを取り戻す可能性が高まります」
■「No More Ransom」のポータルサイトでは、各社復号ツール、ランサムウェア対策に役立つ情報や取り組みについてご覧いただけます。当社が提供する全ての復号ツールは「No Ransom」で提供しています。
※1 増大するランサムウェアの脅威に対抗し、かつ被害者を支援するために、オランダ国家ハイテク犯罪ユニット(NHTCU)、欧州刑事警察機構の欧州サイバー犯罪センター、Intel Security(当時)、Kasperskyが、2016年にNo
More Ransomプロジェクトを立ち上げました。今では196の組織が参加するこの取り組みでは、各組織が復号ツールをはじめ、ガイドラインやサイバー犯罪を報告するための手順などを同プロジェクトのポータルサイトで提供し、被害者の支援を行っています。また、サイトにはランサムウェアに関する情報と感染防止策についても掲載し、広く知識を得てもらうことにも取り組んでいます。
※2 グローバル調査分析チーム(Global Research
and Analysis Team、GReAT、グレート)
GReATは当社の研究開発の中核部門として、脅威に関する情報収集、調査研究およびその成果発表などの活動を通じ、社内および業界をリードしています。また、マルウェアによるインシデント発生時の対応措置を担当しています。