メインコンテンツにスキップする

カスペルスキーが静岡大学、鹿児島大学と共同開発した、情報リテラシー啓発教材「『自分は絶対に大丈夫!』を見直してみよう(おとな版)」の無償提供を開始

2025年3月27日

~ 大人の日常の消費生活やインターネット・SNS利用時に遭遇するリスクを「自分ごと」として捉えるトレーニング ~

株式会社カスペルスキー
国立大学法人静岡大学
国立大学法人鹿児島大学

情報セキュリティソリューションを提供する株式会社カスペルスキー(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林岳夫、以下カスペルスキー)、国立大学法人静岡大学(所在地:静岡県静岡市、学長:日詰一幸、以下静岡大学)、国立大学法人鹿児島大学(所在地:鹿児島県鹿児島市、学長:佐野輝、以下鹿児島大学)は、シニアを含む大人向けの情報リテラシー啓発教材「『自分は絶対に大丈夫!』を見直してみよう(おとな版)」を共同で開発し、教材一式を本日より無償で提供開始します。教材は、社会教育施設などにおける市民向けの講座や、シニア向けの情報セキュリティ啓発の勉強会などでの利用を想定しています。

【資料ダウンロード】「自分は絶対に大丈夫!』を見直してみよう(おとな版)」ページからダウンロードできます。https://kasperskylabs.jp/activity/think-mine/index.html

当教材は、大人が日常の消費活動を行ったり、インターネットやSNSを利用したりする際に、「自分は引っかからない、大丈夫」と思い込んでいるトラブルに、どのような「相手」と「状況」がそろった場合に直面してしまうのかを考え、そこから気付きを得ることができる内容になっています。消費活動や情報セキュリティにまつわるリスクを、「投資編」「漏えい編」「消費編」の三つのテーマに分け、投資詐欺やロマンス詐欺、クレジットカード情報や個人情報の漏えい、商品購入時の思わぬサブスクリプション契約など、最近問題になっているトピックを例として取り入れています。こういったリスクを回避する判断スキルを養い、個人の資産や情報を守りながらより良い消費生活やインターネット・SNSの活用につなげていくことを目的としています。

教材は、市民向けの講座や勉強会などでの利用を想定して開発しており、受講者用ワークシートに加え、指導者用ガイドブックを用意しました。講座の開催者は、ガイドブックを使うことで最小限の準備で講座を実施することができます。

開発に当たっては、当社が情報セキュリティの面を担当し、教育工学、授業デザインを専門とする静岡大学教育学部 塩田真吾研究室および、教育工学、安全人間工学を専門とする鹿児島大学 大学院教育学研究科 髙瀬和也研究室が、教材の手法に場面強制想像法を取り入れて開発を行いました。

当教材三つのポイント

1.消費活動や情報セキュリティにまつわる「リスク」を、「投資編」「漏えい編」「消費編」の3つのテーマで用意しています。
2.どのような「相手」と「状況」がそろった場合に、リスクに直面するような判断をしてしまうのかを「自分ごと」として捉えることができます。
3.教材では実際のトラブルや詐欺の事例を取り上げ、身近なリスクを感じてもらうことができます。グループワークによって各自がどのような選択をしたかを共有し議論することによって、新たな気付きを得ることもできます。ワークシートには、リスクへの対処方法のヒントを掲載しています。

■ 受講者用ワークシート例(漏えい編)

KL-自分は絶対に大丈夫を見直してみよう-1

(ワークシート表面)受講者に、自分の大切な情報を伝えてしまう場面について考えてもらい、どのような相手に、どのような状況だと知らせてしまうのかを線でつないでもらいます。

KL-自分は絶対に大丈夫を見直してみよう-2

(ワークシート裏面)表面に掲載されている事例の中から、よくあるトラブルを取り上げて説明しています。また、アドバイスも掲載しています。

提供する教材について

【指導者用ガイドブック】当教材を使った講座を行うための指導案を用意しています。書かれている内容に沿って説明し、最小限の準備で講座を実施することができます。

【受講者用ワークシート】「投資編」「漏えい編」「消費編」の三つのテーマに沿ったワークシートを用意しています。表面にテーマに沿った状況が書かれており、裏面に注意点やアドバイスを掲載しています。

・教材はシニアを含む大人を想定して開発しています。
・実施時間は1テーマ当たり15分程度です。三つのテーマから受講者に合ったものをピックアップして実施することもできます。
・当教材は、非営利であればどなたでも利用できます。教材は無料です。

■ 教材開発に当たってのコメント

静岡大学 教育学部 准教授 塩田真吾
よく「自分は絶対に大丈夫と言う人ほど危ない」といわれています。これがなぜかというと、実は「絶対に大丈夫」と言えてしまうのは、そのトラブルが起きることを具体的に想像できていないからなのです。そこで本教材では「場面強制想像法」を用いて、「自分がやってしまうかもしれない場面」を想像させることで、トラブルを自分ごととして捉えてもらいます。ぜひ、「絶対に大丈夫」ではなく、「やってしまうとしたら…」という発想で指導していただければ幸いです。

鹿児島大学 大学院教育学研究科 助教 髙瀬和也
「トラブルに直面するとしたら…」という前提に立って、それにつながる条件や環境を想定しておくことは、事故やリスクへの対策を考える上でとても重要です。本教材を通じて、「絶対に大丈夫」と思いがちなことをあえて批判的に見直してみてください。グループワーク等で活用すると、自分一人では「大丈夫」だと思っていたシチュエーションに、思ってもみなかったリスクがあると気付くことができると考えます。ぜひ本教材を、情報教育・消費者教育・社会教育などの場で広くご活用いただけますと幸いです。

株式会社カスペルスキー 代表取締役社長 小林岳夫
インターネットは今や多くの人々にとって欠かせない存在となり、生活を便利で豊かにする一方で、詐欺やトラブルのリスクとも隣り合わせです。誰もが「自分は大丈夫、トラブルには遭わない」と思いがちですが、「自分だったらどんな状況で判断を誤るのか?」と考えることが、リスクを自分ごととして捉え、自身を守る第一歩になります。本教材を活用し、全ての人が安全・安心にインターネットを使い、その可能性を最大限に生かせることを願っております。

■ ご参考

当社はインターネットを安全・安心に利用するための啓発が重要と考え、2014年より、塩田准教授の教育工学・情報教育の知見を基に、情報モラルや情報セキュリティ啓発を目的とした教材を共同開発しています。中でも、怪しいネットやアプリを見極める力を養う教材「ネットの『あやしい』を見きわめよう」シリーズの小中学生向けは、公益財団法人消費者教育支援センター主催の「消費者教育教材資料表彰2018」の優秀賞を受賞し、その後、GIGAスクール構想にマッチした更新版を髙瀬助教と共に3者で開発、提供しています。また、2018年にシニア向けを提供し、2023年にはサポート詐欺や無料アプリのトラブルなど、身近になっているリスクを新たに加えた更新版を提供しています。

これまでに共同開発した教材
・ネットの「あやしい」を見きわめよう(GIGAスクール版)
https://kasperskylabs.jp/activity/giga/index.html
・ネットの「リスク」を見きわめよう(高校・大学生編)
https://kasperskylabs.jp/activity/networkrisk/index.html
・ネットの「あやしい」を見きわめよう(シニア編)
https://kasperskylabs.jp/activity/senior/index.html

■ プロフィル

静岡大学 教育学部 准教授 塩田真吾
早稲田大学大学院博士課程修了、博士(学術)。静岡大学助教、講師を経て現職。専門は、教育工学、情報教育、授業デザイン。「社会とつながる授業」をテーマに、さまざまな企業と連携しながら「授業デザイン」について工学的に研究している。主な著書に、『行動改善を目指した情報モラル教育』(2018)などがある。

鹿児島大学 大学院教育学研究科 助教 髙瀬和也 
早稲田大学大学院博士課程修了、博士(学術)。2021年10月より現職。専門は、教育工学、安全人間工学、ヒューマンエラー。ミスや不祥事をどのように減じられるかについて工学的に研究している。主な論文に、「ヒューマンエラー対策手法を用いた個人情報漏洩を防ぐ教員研修教材の開発と評価」(2018)などがある。

※ 場面強制想像法
自分が“そのトラブルに遭う”という結末を用意し、その結末へと至る経緯や場面を強制的に想像させる手法。

カスペルスキーが静岡大学、鹿児島大学と共同開発した、情報リテラシー啓発教材「『自分は絶対に大丈夫!』を見直してみよう(おとな版)」の無償提供を開始

~ 大人の日常の消費生活やインターネット・SNS利用時に遭遇するリスクを「自分ごと」として捉えるトレーニング ~
Kaspersky logo

Kaspersky について

Kasperskyは1997年に設立された、グローバルなサイバーセキュリティおよびデジタルプライバシーの企業です。これまでに10億台以上のデバイスを新たなサイバー脅威や標的型攻撃から保護しています。深い脅威インテリジェンスとセキュリティの専門知識を生かし、革新性に富んだセキュリティソリューションやサービスを提供することで、世界中の企業、重要インフラ、政府機関、そして個人のお客様を守っています。当社の包括的なセキュリティポートフォリオには、業界をリードするエンドポイント保護製品、専門的なセキュリティ製品とサービス、そして高度なデジタル脅威に対抗するためのサイバーイミューン(Cyber Immune)ソリューションが含まれます。当社は22万社を超える法人のお客様の重要な資産を守る力になっています。詳しくはwww.kaspersky.co.jpをご覧ください。

関連記事 ウイルスニュース