リモート授業が急増する中、親が子供のデジタルアクティビティを管理することが今まで以上に難しくなっています。子供は、多くの親が考える以上に頻繁にネットを使用しています。ほとんどの親には、常に子供のデジタルアクティビティを監視できる時間がありません。
子供の安全を守りたい親にとっては、頭の痛い問題です。カスペルスキーによる最近の調査では、この問題の大きさが示されています。最近の子供たちには、何が起きているのでしょう。
•ティーンエージャーの73%はスマホのない生活を想像すらできず、半数はスマホをベッドに持ち込んでいます
•8~16歳の子供の44%は絶えずネットを使用しており、エンターテインメントとソーシャルメディアのアプリが好まれています
•40%の子供は、自宅住所などの機密情報をオンラインで明らかにしています
•子供の3分の1はオンラインで年齢を詐称しています
•37%の子供は金銭的な脅威、不適切なコンテンツといった危険をオンラインで経験しています
スマホやノートパソコンで子供が行うことを、親が逐一監視することはできません。たとえ可能だとしても、監視すべきでしょうか。現代では、子供の頃から大人になるまでテクノロジーは重要な役割を果たします。ネットを安全に利用するために必要なスキルを習得できるチャンスがあるのは、子供が小さい頃です。
理想的なアプローチは、お子様に教育して決定権を与え、自分を守る方法を学ばせることです。
子供を守れるよう親が学ぶ
お子様の安全を守りたいなら、まずはオンラインでお子様が遭遇する危険を理解する必要があります。親が十分な情報を得ていれば、リスクの回避を手助けできるので、子供はインターネットを安全に楽しむことができます。
テクノロジーに詳しくない方でも、主な脅威について説明したリソースがオンラインにはたくさんあります。まずはKaspersky Resource Centerをご覧になってください。これは、インターネットの安全に関する読みやすい記事が掲載された無料のリソースです。最も重要な用語の定義と視覚的に表現されたインフォグラフィックを、お子様と共有できます。また、最新の脅威および家族の安全を守る方法に関するアドバイスも掲載されています。
一般的に、子供がネットで遭遇する脅威には3つのカテゴリーがあります。
•見知らぬ人:性犯罪者は、ソーシャルメディアやオンラインゲームなど、子供の好きなサイトに潜んでいます。このような犯罪者は多くの場合、自分も子供のふりをします。キャットフィッシング(なりすまし)と呼ばれる方法です。また、子供でも大人でもセキュリティが脆弱な人であれば、誰でも標的にするハッカーやサイバー犯罪者もいます。パスワードや支払い情報を共有するよう、子供をだまそうとする恐れもあります。
•仲間:子供は、知っている他の子供からいじめやハラスメントを受ける可能性があります。多くの場合、これはソーシャルメディアやメッセージングアプリのプライベートなチャットで発生します。時には他の子供が、お子様に関するプライベートな情報を共有して大きなトラブルになる場合があります。このデータが性的なものであれば、刑事事件になることもあります。
•自分自身:監視されていない子供は、ネット上でリスクになることがあります。多くの場合、このような子供は自らの行動の結果を考えることなく、ボタンをクリックしたり、ソフトウェアをインストールしたりします。また、自分の生年月日や住所などのプライベートな情報を、公的な場で投稿することもあります。
これが社会的脅威と呼ばれている事態につながることがあり、ゆすりや対人操作が含まれます。犯罪者は頻繁に子供の信頼を得てから、その信用を利用しようとします。このような脅威から子供を守るには、他の人たちと安全に交流する方法を子供自身が理解しておく必要があります。
このほかにも、テクノロジーを利用してデータにアクセスしようとするデジタル脅威があります。この中には、マルウェア(データを盗む悪意あるソフトウェア)やフィッシング(フェイクサイトにアクセスするようだますこと)が含まれていることもあります。このタイプの危険から身を守るには、適切なインターネットの利用をしながら、堅牢なウイルス対策ソフトをインストールする必要があります。
サイバーセキュリティについて子供と話し合うための5つの基本的なヒント
子供は、ひとりひとり異なります。オンライン体験から望むものは子供によって違い、様々な危険にさらされています。ネットでの安全について子供と話すために、これが絶対という方法はありません。親は子供と会話し、その子供にとって適切な対処法を把握できるように手伝う方法を見つけなくてはなりません。最初の足掛かりとなるヒントをいくつかご紹介します。
子供が理解しやすい教育リソースを使用する
インターネットの安全について子供と話し合うのは、難しいものです。特に、多くのコンセプトを理解できない幼い子供と話すのは困難です。インターネットにはサイバー犯罪者や性犯罪者がいると、小学3年生の子にどうやって説明すればよいのでしょうか。重要なのは、子供たちを怖がらせることなくどうやって説明するかです。
世界中の親がこの問題に直面しています。しかし、メッセージを伝える上で役に立つツールがいくつかあります。
優れた無料リソースのひとつが「Kasper, Sky and the Green Bear」という電子書籍です。男の子とその親友が、クマという名前の魔法の熊と仲良くなる楽しいお話です。このような物語はそれぞれ、サイバー犯罪の基本的なコンセプトを説明する上で非常にわかりやすい内容となっています。プライバシーの管理方法や強いパスワードを選ぶ方法、いじめられた時の対処法などが説明されています。
この本は無料でダウンロードできます。お子様が読書よりも映像が好きな場合は、同じ内容をカバーした動画シリーズを、YouTubeでご覧いただけます。このようなストーリーは、不必要に不安にさせることなく、子供がサイバーセキュリティの基本情報を理解する上で役に立ちます。基本的な知識があれば、安全にインターネットを利用する方法も教えやすくなります。
インターネット使用の基本原則を設定する
インターネットは広大で混乱を招きやすい場所です。安全を維持する方法を理解できるよう、基本的なルールをいくつか決めておくとよいでしょう。
お子様と話し合い、インターネットの使用についていくつかの基本的なルールに合意しておいてください。幼いお子様の場合は、シンプルで従いやすいルールにしてください。たとえば、次のようなルールを設定できます。
•大人の許可がなければインターネットを使わない
•1日30分だけ使用できる
•特定のアプリだけを使用できる(セーフサーチのYouTubeやフィルタリングされたウェブブラウザなど)
•ゲームをインストールする場合は親の許可を得る
これらのルールをどこかに書いておき、時々、復習するようにしましょう。
子供の年齢が上がると、もっと自由を求めるようになります。その場合は少しルールを拡張して、次のような内容を含めることができます。
•ネットでは決して、自分の本名や住所を明かさない
•親の許可なくアプリ内の支払いを承認しない
•質の低いアプリは避ける
•自分自身に関するプライベートな情報や体の写真を共有しない
•自分がやりたくないことをやらせようとする人がいれば、親に相談する
子供がティーンエージャーになると、デジタルライフをサポートするルールを定める必要が出てきます。年齢の高い子供の場合は、制限的ではなく、役に立つルールを一緒に作成してください。
これらのルールは実施可能な例です。子供はひとりひとり異なり、ニーズも異なるため、それぞれの子供に適したルールを構築する必要があります。
恐怖心ではなくエンパワーメントに焦点を当てる
デジタルの世界は、子供や親にとって恐ろしい場所ではありません。何が起きるか心配するのではなく、ネット上で自分を守るために必要なスキルをお子様に教えることに焦点を当ててください。
チェックリストを作成し、必要なものがすべてそろっているかお子様と確認してください。このチェックリストには、次のような項目を含めます。
•気分が落ち込むようなことをされた場合の対処法を知っている。
•ネット上で伝えられる情報とオフラインでのみ共有できる情報を理解している。
•見知らぬ人ではなく、友達とだけ話すべきである。
•ウェブサイトが本物かフェイクか確認する方法を知っている。
•よくないウェブサイトを避ける理由を知っている。
•強力なパスワードを作成して、二要素認証で電話を使用する方法を知っている。
•オンライン支払いを行う前に必ず親に許可してもらうべきであると知っている。
•自分の秘密や写真をインターネットで投稿するときには注意する。
•何かわからないことがあれば、大人に話して助けを求めるべきだと知っている。
このようなサイバーセキュリティのスキルは大人にも必要です。お子様が幼い頃から先を見越したアプローチを教えれば、安全を維持する方法を把握した大人になれます。
信頼関係があり、他の人を尊重する環境を作る
オンラインセキュリティについて質問のある子供が、常に親のところに来て助けを求めることができれば理想的です。しかし、現実は必ずしもそうはいきません。
助けを求めれば、なにかトラブルになると子供が感じることもあります。たとえば、インターネット利用ルールのひとつを破り、その間にフィッシングやなりすましに遭ったとします。その子は難しいジレンマに陥ります。親の助言を求めれば、ルールを破ったとバレてしまいます。
子供に親の助けが必要なら、親はいつでもサポートすると知らせておくことが重要なのはそのためです。最も重要なのは子供の安全だと伝えておいてください。失敗があっても、親子ともに学べる教訓を見つけましょう。
子供は、自分のミスでトラブルになったと考えたり、親に理解してもらえないと心配することもあります。ハラスメントやいじめなど、学校とデジタル世界の両方で問題が発生する可能性もあります。このような問題が起きた場合は、子供に自分の感じていることを話してもらい、子供の心配事に真剣に対応する必要があります。些細なことのように見えても、子供にとっては大きな問題かもしれません。
最も重要なのは、親がお子様の模範になることです。インターネット上での自分のアクションが安全で、常に責任をもって行動しているか確認してください。また、お子様がまわりにいるときには、自分のネット使用時間も制限してみましょう。
子供の安全維持に役立つ適正なツールを使用する
オンラインセキュリティは子供だけではなく、大人にとっても重要な課題です。高度な脅威は数多く存在し、子供がすべてのルールに従ってもトラブルに遭遇する可能性があります。
大人はどうすれば安全にインターネットを利用できるのでしょう。デジタルサービスの使用時に直面する可能性のある、主要な脅威を回避できるツールがあります。家庭内のあらゆるデバイスには次のようなツールが必要です。
アンチウイルス:これはインターネットセキュリティの基本です。バックグラウンドで実行され、トロイの木馬やスパイウェア、ランサムウェアのようなウイルスから守ってくれます。悪意のあるプログラムがデバイスを感染させようとしても、アンチウイルスが食い止めます。
フィッシング対策:フィッシングは、シンプルながらも影響力が大きく、最も頻発しているサイバー犯罪テクニックのひとつです。ご自分またはお子様が偶然、偽のリンクをクリックしないようにするには、さらなる保護策が必要です。
ウェブカメラの保護:ウェブカメラにアクセスされると、あなたやお子様の行動が監視される可能性があります。Zoomで授業が行われる時代なので、ウェブカメラを単に無効にすることはできません。その代わり、この危険性から身を守る手段が必要になります。
コンテンツブロッカー:ハッカーやウイルスを回避する最良の方法は、安全ではないコンテンツを見ないことです。コンテンツブロッカーを使用すると、お子様がインターネットで不良な場所にアクセスすることを防げます。
VPN:VPNは基本的に移動中のデータを保護します。これは特に、お子様が学校などで公共のWiFi接続を使用している場合に重要になります。
パスワードプロテクター:子供が強力なパスワードを作成するのは、非常に困難です。パスワードプロテクターは、お子様のために堅牢なパスワードを作成し、次回のログインに備えてパスワードを守ってくれます。
このタイプのソフトウェアは、オンラインで発生する可能性のある偶発的な危険も阻止できます。ご家族のニーズに合ったソリューションについては、Kasperskyの製品をご検討ください。
子供のサイバーセキュリティを保護するには
子供を持つことは、誰にとっても最大の責任を伴います。子供には世界を探索し、自分を発見し、わくわくするようなチャンスを見つけてほしいと親は願うものです。しかし、子供が安全で、なるべく危険を避けられるようにする必要もあります。
お子様が電子機器を使用しているのを見ると、怖くなることもあるのでは。そのデバイスは、学習とポジティブな成長への入口になるのでしょうか。それとも、懸念すべき状況にお子様がさらされてしまうのでしょうか。
このようなことは、サイバーセキュリティについてお子様と会話をする上で役に立つはずです。お子様の安全を維持し、お子様が自分のセキュリティを維持するために必要なスキルを身に付けられるよう支援できます。
それでも、親にはさらなるサポートが必要になることもあります。カスペルスキー セーフキッズは、家族向けの主要なサイバーセキュリティプラットフォームのひとつです。このパッケージには以下を含む基本的なツールが含まれています。
•GPSトラッキング:常に子供の居場所をモニタリングします。地元の地図で安全なゾーンを設定し、子供がその外に出れば通知を受けられます。
•ネット使用時間制御:自動的に子供のデバイス使用を管理します。この機能を利用すれば、子供が一日にゲームやソーシャルメディアを使用する時間を制限したり、就寝時間にはデバイスを強制的にオフにしたりすることができます。
•コンテンツフィルター:安全でないコンテンツから子供を保護します。このようなフィルターは、ウェブ検索とYouTubeで不適切なコンテンツを非表示にします。制限レベルは、子供に合わせて管理できます。
カスペルスキー セーフキッズは、子供用自転車の補助輪のようなものです。膝に擦り傷を作って泣いたりしなくても、学ぶことができます。予想もつかないインターネットの世界では、どんな子供でも追加保護が必要なのです。